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2017.01.06 UP

演劇ライター・三浦真紀さんの特別コラム ≪その4≫

本番直前!歌唱披露&会見レポート

 

6人のキャストが、「シーズンズ・オブ・ラブ」(『レント』より)と、「アイ・ガット・リズム」(『クレイジー・フォー・ユー』より)をオーケストラの生演奏とともに歌唱披露。すでにすっかり打ち解けた様子で、昔からの仲間のよう。和やかムードが微笑ましい。「シーズンズ・オブ・ラブ」の美しいハーモニーには、仕事を忘れてうっとり。全員、ソロパートもあり、キャストそれぞれの声の豊かさと個性を堪能できる。最後の高音のフェイクは、ティールが担当。張りのある美声で、度肝を抜いた。さすがエルファバ女優!打って変わってアップビートの「アイ・ガット・リズム」では、みんな振りを交えて、楽しそう!間奏では自由にステップを踏み、満面の笑顔に。これぞ本場のノリ。新年にふさわしい、前向きパワーが伝わってくる。本番には、こんな曲も、あんな曲も歌ってくれる〜と想像するだけでわくわくする。心から待ち遠しくなった。

 

■ 会見の質疑応答

Q 来日について、ひとこと。

アダム・カプラン「昨年、『キンキーブーツ』で初来日。こんなにすぐ戻ってこられて嬉しいです」

ジーナ・クレア・メイソン「初来日です。前から日本に来たいと切望していました。去年、『ウィキッド』に出演していた時、友達のレイチェル・タッカーがこのコンサートに参加。彼女から、とても楽しくて素晴らしい経験だったと話を聞きました。今回、参加できて嬉しいです」

ロベール・マリアン「『ノートルダム・ド・パリ』のパリ公演からお休みをいただいて、来日しました。日本で新年を時差ぼけのまま迎えるという素晴らしい体験をしています(笑)。今回が5回目ですが、日本に来られるのは光栄です。日本のお客様はいつも素晴らしいですから」

ハワード・マクギリン「このコンサートに参加するのは昨年に続いて2回目。昨年友達になった皆さん、また今回新たに出会った皆さんとご一緒できて、ワクワクしています。ブロード・ウェイの『オペラ座の怪人』で怪人役を演じていた時、日本からたくさんのお客様が観に来てくださいました。今回、素晴らしい歌をたくさん披露しますので、多くの方にご覧いただきたいです」

ティール・ウィックス「初来日ですが、昔から日本に来たいと思っていました。素晴らしいキャストと一緒に公演できることを楽しみにしています。『ファインディング・ネバーランド』に出演していて、去年9月に友人のローラ・ミシェル・ケリーが東急シアターオーブのコンサートに出演、どれだけ楽しかったかを聞きました。ローラに勧められ、自分も参加できることを嬉しく思っています」

マット・ローラン「5回目の来日です。日本は慣れてきましたが、来るたびに素晴らしい体験をしています。新旧の友達に会えて、昔からの友達と食事をする気分です。毎回、素晴らしい俳優の皆さんとお会いできることに感謝しています」

 

Q ブロードウェイミュージカルの歌の魅力とは?

アダム・カプラン「自分の体験や思い出とつながれることだと思います。僕個人は音楽が始まり、お客さんが、ああ、あの曲か!とわかる瞬間を見るのが大好きです」

ハワード・マクギリン「アダムの言う通り。付け加えるなら、ミュージカルの音楽は、観る人たちの感情を湧き立たせ、よりストーリーに引き込む効果があります。たとえば『ウエスト・サイド・ストーリー』は初めてドラマをミュージカルにした作品。『ロミオとジュリエット』をベースに、音楽が人々の感情を高揚させ、ストレートプレイ以上に物語に引き込んでゆく。レナード・バーンスタイン作曲、スティーヴン・ソンドハイム作詞による傑作で、今回歌えることにワクワクしています」

ロベール・マリアン「ミュージカル曲は単なる歌ではなく、物語を語り、役の人物像も表します。歌えることはものすごく光栄なことです」

ジーナ・クレア・メイソン「特にこのコンサートでは、ミュージカル曲を広く網羅していますから、様々な時代やスタイルの楽曲をお楽しみいただけます。ほとんどが私が子供の頃から知っている曲で、いつか歌いたいと憧れていた曲ばかり。その上、オーケストラをバックに歌えるなんて、とても嬉しいです」

 

Q ミュージカル曲をミュージカルで歌うのとコンサート形式で歌う、その違いとは?

ティール・ウィックス「ミュージカルで歌う場合、作品では特定の場所や時代という背景があり、その国の訛りで歌わなければいけなかったりします。その点、コンサート形式では、より自分らしさが出せると思います。ただ物語の背景がない分、自分の中で歌との結びつきを探さなければいけない。そんな難しさもありますが、楽しくて、素敵な挑戦です」

マット・ローラン「僕はティール、ジーナ・クレア、アダムとは今回が初めまして。新しい方と一緒に歌う時は、最初手探りだったりします。トーンやエネルギーのレベルはどんな感じなのかと、探りながら声を合わせ、最終的には6人が共に歌い、マジックを生み出す。それがこのコンサートの素晴らしいところです」

ハワード・マクギリン「ブロード・ウェイでは絶対に歌えない曲を歌える点も、このコンサートの魅力。たとえば、僕は絶対に『天使にラブ・ソングを〜シスター・アクト』にキャスティングされないだろうから(笑)、その曲を歌えるのは嬉しいですね」

 

Q 今回、複数で歌う曲で、思い入れがあるもの。

アダム・カプラン「『オール・アイ・アスク・オブ・ユー』を歌えることが嬉しいです。『オペラ座の怪人』は僕が初めて観たブロード・ウェイ作品で、父が大好きで僕も曲を聴いて育ちました。今回は、同じ大学に通っていたジーナ・クレアと一緒に歌います。日本で、しかも仲良しとこの曲を歌えるとは素晴らしい!」

マット・ローラン「僕は唯一ブロード・ウェイに出たことがないから、このコンサートは特別です。ブロード・ウェイに出ている人たちと一緒に、しかも東京で歌える。ロベールとは『スターライト・エクスプレス』の曲を歌うし、みんなとも『天使にラブ・ソングを〜シスター・アクト』などを歌える。特別な体験です」

ジーナ・クレア・メイソン「『レ・ミゼラブル』は私がとても幼い頃、初めて観たミュージカルで、私がミュージカルを目指すきっかけにもなりました。幕間、母に『歌って踊って、お給料をもらえるの?』と質問した覚えがあります。家族みんなが大好きな作品で、ホリデイシーズンには夕食の食卓で、リビングで、3人の兄弟と『ワン・デイ・モア』を歌いました。ここにいるブロード・ウェイの伝説的な方々とは、もちろんレベルが違いますが(笑)」

ティール・ウィックス「『ウィキッド』の『フォー・グッド』は何年にもわたり、千回以上歌ってきました。美しい曲で気持ちが入り、いつ歌っても心が動かされます。今回、素敵なジーナ・クレアと歌いますが、稽古で声を合わせたら感情が高ぶって、感激してしまいました」

ハワード・マクギリン「僕たちも2人が『フォー・グッド』を歌うのを見て感動したよ。2人の交流が伝わってくる、特別な歌だ」

アダム・カプラン「素晴らしい曲が、素晴らしい交流を生みますね」

ロベール・マリアン「このコンサートに参加すると、素晴らしい俳優たちを好きなだけ見られて幸せ。このように音楽は心を動かしてくれるから、僕はミュージカル俳優をやっているのだと思います。音楽を通して自分を表現し、また新しい仲間とも音楽を通して交流ができる」

ハワード・マクギリン「みんなを代表して言えることですが、こうして日本で歌えること、そして演劇や芸術を生活の糧にできるのは、とてもラッキーです。音楽の喜びを分かち合える、そんな幸せは何者にも代えがたい。今は世界中、そしてアメリカも政治的に困難な状況です。そんな中で舞台に立てることは本当に幸せです」