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2016.12.14 UP

演劇ライター・三浦真紀さんの特別コラム ≪その1≫

 「新年を祝うミュージカル・コンサートを作ろう!」の巻

 

一昨年のことだったか。
「新年を祝うミュージカル・コンサートを作りたいんですよねー。」と東急シアターオーブの担当者から構想を聞いた。
考えてみれば、クラシックにはウィーンフィルの「ニューイヤー・コンサート」があり、世界中でテレビ中継されるほど有名だ。オペラにも同様のコンサートがあり、バレエには新春ガラ公演、歌舞伎にも新春大歌舞伎がある。ミュージカル・コンサートが人気である今、確かにミュージカルだけ新春ものがないのはミュージカルいちファンとして寂しいじゃないか。いや、あるべきだ。

新春から本場のミュージカル俳優の美声に浸れたら、いいスタートが切れる。絶対ないと困る〜!そんな茶飲み話の会話があれよあれよと具体化されて、2016年に第1回が開催される運びとなった。

開催が決まって大喜びしたものの、不安がなかったわけじゃない。
果たして、クリスマス休暇の直後に、来日してくれるスターはいるのだろうか?
しかし蓋をあけたら杞憂だった。

今や飛ぶ鳥を落とす勢いのブロードウェイの歌姫ローラ・オズネス、ウエストエンドの『ウィキッド』エルファバ役レイチェル・タッカー、ブロードウェイの『オペラ座の怪人』怪人役の最多回数記録を誇るハワード・マクギリンが初来日。そこに『フレンチ・ミュージカル・コンサート』に出演したロベール・マリアンとマット・ローランが加わり、真の実力派5名が揃った。レイチェルは『ウィキッド』の公演中だったが、わざわざ休みをとって参加してくれたほど。

東急シアターオーブはミュージカルの来日公演を多数上演しているため、劇場の評判は向こうのミュージカル俳優の間にも伝わっている。

「友達の◯◯が出たって。楽しかったと聞いているわ」と、口コミが来日を後押しすることも少なくない。また現地に飛んで観劇するミュージカル・ファンの存在も大きい。ローラ・オズネスは「『シンデレラ』に出ていた時にも日本の人がたくさん観に来て、楽屋口でまっていてくれたの!」と嬉しそうに話していた。今度は自分が日本を訪れて喜ばせたいという気持ちもあるのだろう。

とにかく、ひと昔前では考えられない一流のミュージカル俳優が正月早々来日し、共に新年を祝い歌ってくれる。
こんな贅沢な時代が来るなんて!
ミュージカルの神様には感謝しかない。              

                  つづく

 

 前回公演『ニューイヤー・ミュージカル・コンサート2016』より Photo:下坂敦俊