Columnバックステージツアーコラム

第5回締めはカーテンコール体験。スター気分を味わう

 階段を少し降りて、途中にあるフライギャラリーを見学。ここから渡り橋を出して、照明スタッフが照明ブリッジに乗り込みます。舞台の高さまで下ろして乗り込めば簡単と思いきや、通常は下にセットが置かれているので、下まで下ろせないのだとか。照明ブリッジに人が乗ったら、渡り橋を引っ込めて、セットに合わせた高さまで照明ブリッジを下げて、照明を一つ一つ調整するという流れ。いやはや、細かい作業も危険と隣り合わせで大変!
 舞台まで戻ると、緞帳が降りていました。「舞台は必ず最後にカーテンコールがあります。今日はせっかくいらしていただきましたので、俳優さんの気分を味わっていただきたいと思います」と、バックステージツアーの締めはカーテンコール!というサプライズ。
 ここで、三方礼を練習。まず左手を左前方(上手)に伸ばしてお辞儀、次に同じように右手を右前方(下手)に、最後に両手で正面に向かって深々とお辞儀するのが三方礼だそうです。よく見るものですが、実際に自分がやると不思議な感じ。ちょっとスター気分です。
 万雷の拍手が聞こえてきて、『天使にラブ・ソングを…シスター・アクト』のオープニングナンバー「Take me to Heaven」が流れると、だんだん緞帳が上がります。参加者全員、三歩前に出て、丁寧に三方礼。客席を見渡すと東急シアターオーブのスタッフの方々が立って温かく拍手してくださる姿があり、ああ、舞台って素敵!と改めて感じました。俳優の皆さんからは、こんな風に客席が見えるのね!という発見も。
 最後の質問コーナーでは、『SINGIN' IN THE RAIN ~雨に唄えば~』『ドリームガールズ』など、東急シアターオーブで観た作品についての問いが多数。
 舞台装置の調整期間の質問では、「作品によって様々です。新作で難しく斬新な演出になる場合は、稽古して調整したり、色々と試したりして、1週間から10日以上かかる場合もあります。来日公演でアメリカ国内やワールドツアーをしている作品は、ほぼ出来上がっているものを組み立てる作業になるので、初日の前1日で済むこともあります。ツアー版は、すでに公演を重ねてきているので、リハーサルもそれほど必要ではなく、時間をかけずに開けることができますね」とのこと。
 舞台裏を見学できたことで、裏を支えるスタッフの顔が見られたこと、また様々な仕組みが見られて、舞台って多くの人の手による総合芸術なんだなぁと実感。ぜひ機会ありましたら、バックステージツアーに参加してみてください。舞台愛が深まりますよ!

演劇ライター 三浦真紀