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2016.07.15 UP

『ヨセフ』初日レポート!!

なんて盛りだくさんで贅沢なミュージカルなのだろう!歌、踊り、芝居がギュギュギュっと詰め込まれて、溢れ出んばかりの輝きを放っている。極彩色の映像や華やかな衣裳、照明にも心奪われ、まるで派手なテーマパークのアトラクションに足を踏み入れた気分。一気に夢の世界にのめりこみ、ヨセフとともに旅をした。

 ロイド=ウェバーの音楽はバラード、ロカビリー、カリプソ、シャンソン、カントリーと、多彩で耳に残る。その曲調に負けないくらい踊りも豊かで、あらゆるシーンに振りがついているくらいダンス三昧。今一番旬の演出・振付家アンディ・ブランケンビューラーの魅力満載といえるだろう。

 美しく現代的なナレーター、大柄で人間味あふれるヨセフ、コメディ感満載のヤコブ、小劇場風のひねりが効いたファラオなど、キャストはそれぞれキャラが立ち、歌も素晴らしい。エルビス調のファラオは大受けだし、兄たちがまたチャーミングで「カナンでの日々」の重唱には拍手喝采。最後の「メガミックス」は8分間踊りまくりで、見ているこちらも身体が自然に揺れてしまうほどだ。

 古代エジプトという遠い昔の物語が、見事に現代と地続きに感じられる。ANY DREAM WILL DO. 『ヨセフ〜』は夢を忘れがちな私たちへの、魂の応援歌だ。

                                            演劇ライター 三浦真紀

                                                                                                                                                      撮影:田中亜紀