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2016.06.06 UP

番外編特別インタビュー!演出・振付家 マーク・スチュアートさん

 

 

Q. あなたが知っている真のブランケンビューラーとは?

A. 2つの事が言えると思うよ。アンディは地球上で最も頭のいい人間の1人。その頭の良さは劇場の仕事に限ったことではないけれど、劇場は彼のキャリアだからその部分がよく見えているね。そして、振付のことだけではなく、劇場全般について、作品を成功に導く大きな構想からとても細かい部分まで多くの事を理解している。じゃあ実際、一緒に仕事をしていて他の人と何が違うのかというと、彼は全てのキャラクター、全ての曲、全ての詳細がどんな時でも頭の中にある。

彼の頭はまるでコンピューターのようだよ。そして頭がとても切れる人だから、付いていくのが本当に大変なんだ…。

 

 

Q.『ヨセフと不思議なテクニカラー・ドリームコート』は1968年に発表され、約50年の月日が経ちます。アンディがこの歴史ある作品に新たに息を吹き込むことについてどの様に感じますか?

 

A. アンディが古い作品を再演出するのは適任だと思うよ。なぜなら彼は演劇の歴史、作品の背景や本質を理解し敬意を持っているから。アンディの素晴らしいところは、どんなストーリーを取り上げても、それを現代風にできること。そして単に現代人に感情移入できる内容にするだけでなく、今の観客にとってふさわしい(的確な)演出・語り方にできる。

彼は古い作品を再演出するのに大切な<テンポ>と<演劇的構造>の作り方をよくわかっているんだ。それが今年の7月にブロードウェイで上演予定の『キャッツ』再演の仕事を依頼された理由でもあるから。現代のお客さんは初演(キャッツ)を観ていた時代の人とは全く別。コマーシャル、テレビ番組、映画は時代の流れに合わせてものすごい早さで適応・変化し、それが演劇にも大きな影響を与えている。この現状を考えると、私達はお客さんに劇場に来てもらい数時間椅子に座り続け作品を観てもらうためには、どのようなアプローチをしないといけないのか?アンディはそれを解決できる特別な才能を持っているんだ。それは「どんな作品でもお客さんを一瞬で虜にし、魅了するものに変えられる力。(魔法)」だね。

 

 

 

(C)田中克佳