シアタージャーナリスト 松島まり乃さんによる
ブロードウェイ・ミュージカル『ドリームガールズ』 来日直前レポート【後編】
いよいよ開幕まで1週間となったブロードウェイ・ミュージカル『ドリームガールズ』。米国コネチカットでスタートした公演は、1月に場所を中国・上海に移して上演。来日に先駆け、現地で観劇した松島まり乃さんが、今回の見どころ&最新情報(後編)をお伝えします!
本作で夢を掴んだ、若手実力派の出演者たち
公演前に楽屋を訪ねると、あちこちから鼻歌や笑い声が。若手が多く、外食に行くとテーブルを寄せて皆で食べるほど仲がいいカンパニーなのだそうだ。エフィー役のカディージャ・オネ、ディーナ役のシャラエ・モールトリー、ローレル役のベランド・ミラスは子供のころから本作のサントラを聴き、ずっと憧れていたのだそう。カディージャはオーディションで(あまりの歌唱力の高さに)その場で合格を言い渡され、シャラエとベランドは二次、三次と選考が進むたびに言い渡される候補の役が変わり、はじめは互いにライバル視していたが最後は姉妹のように支えあう関係になったのだとか。先輩格のカディージャが“お姉ちゃん”的にシャラエとベランドを見つめる視線が優しく、この関係性が舞台にも活きていることが分かる。
カーティス役のジェレミー・アーウィンは自身もアポロ・シアターのタレント・コンテストで1位を獲ったことがあり、本作への出演に運命めいたものを感じているそう。
またジミー役のアレックス・ギブスは毎日工夫し、少しずつ異なる“弾けっぷり”を見せるようにしているのだとか。「中国のお客さんにはとても楽しんでもらっているので、日本の皆さんも期待していて」とにこやかに語っていた。
(取材・文・写真=松島まり乃)