『ファントム』『グランドホテル』『タイタニック』『ナイン』等の音楽を作曲したモーリー・イエストンが作詞・作曲を手掛けたミュージカル『Death Takes a Holiday』は、2011年にオフ・ブロードェイで初演され、2011年~12年ドラマディスクアワードの11部門にノミネート。映画「明日なき抱擁」「ジョー・ブラックをよろしく」など度々翻案・映画化されヒットを重ねたアルバート・カゼーラの戯曲を元に、死と愛の超克を歌い上げた名作に、モーリー・イエストンならではの美しい旋律が絡み合う珠玉のミュージカルです。
1920年代前半、イタリア。猛スピードで走る一台の車が突如不思議な闇に包まれ、ランベルティ公爵の娘グラツィアが車外へと投げ出される。不思議なことに、彼女はかすり傷一つ負わなかったが、その瞬間、確かに何かが起こったことを感じていた…。
その夜、ランベルティ公爵家へ死神が現れる。何世紀にも亘って人々の魂を集めてきた死神は、なぜ人間が生きることに執着するのか、愛とは何なのかを知りたいと考え、ロシアの公爵ニコライ・サーキの姿を借りて二日間の休日を過ごすこととしたのだった。彼の正体を知らない館の人々は、すぐさま妖しい美しさを秘めたサーキに魅了されるが、その瞳の奥に広がる闇を見た者は恐怖に慄いてしまう。しかし、グラツィアだけは、サーキの瞳の奥に永遠の幸せと愛を見出し、サーキの姿を借りた死神もまた、彼女の瞳に同じものを感じるのだった。互いに強く惹かれ合う二人だったが、死神の休暇はまもなく終わりを告げようとしていた。
